高圧電力の基本料金を下げるネオコーポレーションのデマンドコントローラーを入れてみた

私は福祉施設を経営している。
どこの施設も、経費削減というのは永遠のテーマだと思う。
三ヶ月前、ネオコーポレーションという会社の営業さんが来て「高圧電力の電気代(基本料金)を削減できる」と提案された。
ところで、デマンドコントローラーというものをご存知だろうか。私も詳しくは知らなかった。今回提案されて、その営業さんに色々聞いたのと、自分でもしっかり調べてみようと思い、色々情報を仕入れた。
で、実際にどんな商品だったのか?どのくらい削減できるのか?という事を、せっかくなので記事にしてまとめてみた。
ちなみに、私は専門の人間では無いので、あくまで少し調べたというレベルということを前提に読み進めて欲しい。

 
まずデマンドコントローラーって何だ?

デマンドコントローラ、デマンドコントロール装置とは、需要家の受電電力を常時監視し、設定された値を超えないよう、警告や自動制御を行う装置。
引用:デマンドコントローラ - Wikipedia

 

電力会社などで言われる「デマンド」という言葉は主に「30分間の平均使用電力:kw」という意味だそうだ。難しいことは、電力会社にでも聞いてほしい。
要はこの「デマンドコントローラー」というのは、このデマンド値(平均使用電力)を監視して、自動的に制御したりする機械というわけだ。
では、この「デマンド」を監視するのが電気代とどう関係するのか?という点だけど、電気代の中には「基本料金」と「使用料金」のふたつが含まれていて、この合計が電気代として請求される。なので、電気代を削減しようとするとこの「基本料金」と「使用料金」を削減する必要がある。

高圧電力において、基本料金は
「契約電力(年間の最大デマンド値) × 基本料金単価 × 力率割引」という計算方法で決まる(と、調べて知った)。
「契約電力(年間の最大デマンド値)」というのは、さっき説明した「デマンド値」が、一年間で一番高かった時の値が適用される。
(「基本料金単価」は1kwあたりいくら、というのが電力会社によって設定されている。詳しくは該当の電力会社のサイト等を参考にしてほしい。)
一年間で一番高かった時の値…ここがややこしい。
契約電力は「過去12ヶ月間の中で一番多い電気量を基準にしますよ」ということなんだが、
例えば、2018年1月から電気を使い始めて、その月の最大デマンド値が150kwであれば契約電力は150kwとなる。でも2月に電気の使用量が増えて、最大デマンド値が200kwになってしまった。するとその月の契約電力は200kwになる。そして3月、その月はあまり電気を使用しなかったのか、最大デマンド値が100kwまで下がった。でも契約電力は200kwが採用される。何故か?それは「過去12ヶ月(一年間)の中で最大デマンド値を基準に契約電力が決まる」から。
3月から12ヶ月分遡った中で一番高いデマンド値は200kw。
(1月が150kw、2月が200kw、3月が100kwだから)
一度高いデマンド値を出してしまうと、それから一年間は、最低でも200kwの契約電力が採用されてしまう。いくら節電しても同じなのだ。

デマンドコントローラーの話に戻る。
今回導入したネオコーポレーションのデマンドコントローラー(商品名はACMDという)の機能は、デマンド値を監視して、設定したデマンド値をオーバーするかもしれないと予測された時、自動的に制御して空調機器の室外機を停止させることで、デマンド値をオーバーさせないようにする、というもの。

なぜこのデマンドコントローラーを入れることで基本料金が下がるのか?
実はデマンドコントローラーの導入は電力会社も推奨していて、導入後、設定したデマンド値を申請することで本来一年間下がらないはずの契約電力が、設定したデマンド値を基準に再計算されるらしい(電力さんもピーク値を下げたいんだね)…しかも導入した当月から。

ちなみに、上で書いた↑自動的に制御して室外機が止まる、というところ。
室外機が一時的に停止しても、エアコンの室内機は稼働しているので、冷たい空気はちゃんと室内に送風される。
実際に導入してみて3ヶ月。ちょうど今年は猛暑日が続く、異常な夏だった。
でも、施設内の温度がACMDを入れることで暑くなったと感じたことはなかった。


さて本題、基本料金の削減の話。※東京電力基準

もともとうちの施設の最大デマンド値は 325kwだった。
325kw × 1684.80円 × (185 - 100※力率) / 100 =465,426 円

翌月のデマンド値は284kw。
284kw × 1680.80円 × (185 - 100※力率) / 100 = 405,745円12銭

一ヶ月で59,680円88銭の削減。
仮に60,000円、年間で削減され続けたとして、720,000円。
ちなみにこのACMD、初期費用は不要で、削減された金額の一部からリース料金にあてるという仕組みだった。

今回、この商品を導入するにあたって、担当の営業さんから根掘り葉掘り話を聞いたのと、自分でも調べてみて、結論、導入してよかったと思った。
せっかくなので、ネオコーポレーションのホームページを載せておく。

ネオコーポレーションのデマンドコントローラーのページ

とりあえず、導入して良かったと思う。
今回のような、コスト削減にまつわる良い商材があればまた紹介していきたい。